「1on1は直属の上司とやるものだ。」
その固定概念をちょっと外してみると、1on1の様々な可能性が見えてきます。
例えば、組織の構造上、宿命的なデメリットを緩和することもできます。
ある程度の規模がある会社は、営業部とか、製造部とか、経理部とか、システム部とか「機能」によってチーム分けされた組織図がほとんどです。
このような機能別組織は、各々のチームが専門性を高める事ができ、とても効率的です。
一方で、セクショナリズムに陥りやすく、視野が狭くなり、新しい試みが始めにくい、、などのマイナス面があります。
会社によっては、そのマイナス面を打ち消す為に、顧客別組織(事業部)、地域別組織、製品別組織など、組織の形態を変えてこれに対応しようとします。
組織変更も結構ですが、同じような効果を1on1ミーティングで狙うこともできます。
当社のあるクライアント企業様の実例です
約40組の1on1ミーティングの組み合わせのうち、半分の20組を、敢えて違う部所の上司と部下の組み合わせでやってみました。
その結果、以下のような声が聞こえてきました。
・他部所がそんな仕事をしているとは知らなかった。 ・他部所の苦労が分かり感謝の気持ちが湧いてきた! ・他部所の事情を知ったことで、コミュニケーションがスムーズになった。 ・他部所の為に自分にできることがあると分かった。 ・みんなで1つの事業を作っているんだなぁと実感した。 ・直属の上司より話しやすい^_^
実際に、こんなエピソードもありました。
webサービスのお問合せ対応スタッフと、システム開発部門のエンジニアとの組み合わせで、1on1をしてもらいました。
日々、web画面を使って最前線でお客様とやり取りをしているスタッフさんは、その仕事を通じて様々な気付きがあります。
「シンプルなのは良いけど、お客さんに画面上の位置を口頭で伝える場合、なにか目印になるものが有ったほうが、説明しやすいのに、」
「このページの、この表記を勘違いする人が多いわね、」
などなど、実際に使っているからこそ気付くことが沢山あります。
システム開発部門のエンジニアと1on1ミーティングで、その辺りの生々しいやり取りを共有することによって、新しいアイデアがどんどん生まれ、実際にシステム改修がいくつも実現しています。
「なんだ、そんなことなら簡単ですよ!」ということも、しばしばあるそうです。
もちろん、スタッフさんの気付きやアイデアが、全てがカタチになるわけではありません。
費用の面で難しいこともあります。正式に責任者の決済が必要になるものもあります。あるいは進めてみたけど別の部分に影響が出てしまうので簡単には行かないものもあります。
でも、そんな事情も1on1ミーティングのなかでフィードバックされるので、スタッフさんは納得しています。
お互いが、お互いの情報を「ありがたい」と思っています。そして、お互いの事情を知り合いながら、1つの目標に向かって、創意工夫を重ねて新しいものを生み出しています。
当然、カスタマーサービスとシステム開発の部署間で、サイトの改善のための会議は従来からありました。
しかし、お互いにモヤモヤする気持ちがあったり、細かい部分がわからなかったり、一方的な主張をやるやらないという押し問答になってしまいがちでした。
そんな中、彼らには機能別組織のマイナス面を1on1ミーティングをで克服した好事例を見せていただきました。
このように、1on1は工夫次第で様々なメリットを生み出すことができます。
目的を果たすためにどんな1on1がよいのだろう?と、柔軟に考えてみると面白いのではないでしょうか?
場作りカウンセラーでは、貴社の状況を踏まえた1on1の設計をアドバイスしています。お気軽にお問い合わせください。
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