■心理的安全性なんてヌルくないですか?

googleの研究で注目を集めた、パフォーマンスの高いチームの共通点。

”心理的安全性”

不確実性、多様性が高まる世の中で、組織運営にとって益々重要な概念になってくると思います。

一方で、「心理的安全性が大事」という話に、拒否反応を示すマネージャーの方も一定数いらっしゃいます。

「心理的安全性なんて言ってたらヌルい組織になってしまう!」

といった感じです。

置かれた状況はそれぞれですので、そんなマネージャーの方針にも、とやかく言うつもりはありません。

また、そういうマネージャーは、みなさん決まって人一倍熱心で、責任感が強く、事業に真剣に取り組んでいる有能なマネージャーです。

ただ、話を聞いていくと、心理的安全性の捉え方が少しちがうかな?と思うことが多々あります。

今回は、心理的安全性についてマネージャーが勘違いしがちなポイントをピックアップしました。

このブログを読むことで、心理的安全性についての理解を深め、あなたのチーム運営のヒントにしていただければ嬉しいです。

目次

心理的安全性を保つとは部下に迎合することではない

「部下の考えに合わせていたらきりがない!」

はい、そのとおりです。合わせる必要はありません。

ただ、まずは聴きましょう。

その後に、自分の考えもしっかり伝えましょう。

なぜそう思うのか?そう考えるに至った背景やプロセスをちゃんと聴き、こちらもちゃんと話します。

そんなやり取りを経たあとに、部下の考えを却下するなり、やらせてみるなりすればいいだけです。

互いの考えを並べてみることで、さらに良い第3の考えが生まれることもあるでしょう。

パフォーマンスの高いチームは違う考えを統合する事によって生まれるシナジーを利用しています。

とはいえ、部下が自分の考えを話すことは、部下にとっても、上司にとっても、精神的に負荷がかかりがちです。緊迫する場面もあるでしょう。人間関係をそこなってしまう可能性もあります。

しかし、そうならないのが心理的安全性の高いチームです。

シナジーを生む対話を人間関係を損なうことなく出来るチームが強いのです。

「それは分かるけど、部下の話を聞いてる時間なんてないです、、」

そうおっしゃるかもしれません。

しかし、互いに目的がはっきりしていれば、部下とのやり取りにそれほど多くの時間はいらないはずです。

「いや、部下の考えを聴くと、とめどなく異論がでてくる、、」というのなら、そこには、考えを聴く聴かない以前に、何か別の問題がある可能性が高いです。

例えば、

そもそもの事業目的、目標設定、ビジネスモデル、業務プロセス、人間関係、採用、教育など。

そんなところを見直すキッカケにもなるかもしれません。

心理的安全性を保つとは怠慢を許すことではない

会社に悪影響を与えるような怠慢な仕事ぶり、、

心理的安全性を保つために、あなたが、そんなメンバーの怠慢な仕事ぶりを指摘できないでいるとしたら、、

そんなおかしな話はありません。

それは、むしろ心理的安全性の低い組織ですよね。

怠慢な仕事ぶりを不快に思うのはあなただけではないはずです。

しかし、当の本人は怠慢な仕事をしている意識は殆ど無いことが多いでしょう。

あなただけでなく、メンバーの誰からでも、しっかりフィードバック出来る。そして、そのことで人間関係を損ねない。それが心理的安全性の保たれたチームです。

そんなチームを作るためには、フィードバックの仕方にも工夫が必要です。

また、相手方の言いぶんに充分に耳を傾ける必要もあるでしょう。

心理的安全性を保つとういことは、怠慢を指摘しないことではありません。

逆です。ちゃんと指摘する為に心理的安全性を保つのです。

心理的安全性を背景に、本人と怠慢についての話を深めていくと、次の3つのどこかに問題があることが多いです。

■仕組み:ルールで決まっていて仕方がない

■感情:特定の人にネガティブな感情をもっている

■目的:仕事の目的、あるいは本人への期待が合意されていない

そのあたりが明らかになれば手の打ちようが見えてきます。

ただ、怒鳴っても解決しませんし、許していてもいけません。

心理的安全性を保ちながら、介入してください。

心理的安全性を保つとは低い成果に甘んじることではない

「本当はこの程度の成果では困るのだが、部下の心理的安全性を保つために何も言わないようにしよう、、」

これも全くおかしな話ですよね。

マネージャーは目標を目指し高い成果を求めるべきです。

かといって、

部下が萎縮するような問い詰め方をしては、部下の思考は自己防衛に走り、成果があがらない真の原因は覆い隠され、未来に向けての建設的なアイデアが思い浮かばなくなります。

成果を上げるために必要なのは、事実の把握。幅広い現状認識。目標の再確認。目標に向けての忌憚ない意見交換。などでしょう。どうしたらより良い成果をあげられるか、喧々諤々、一緒に考えて行くべきです。

心理的安全性はそれを可能にする為のものです。

まとめ

上記のように、

心理的安全性を保つということは、決してヌルいマネジメントをすることではありません。

よって、心理的安全性を保つとは、厳しいマネジメントに相対する概念でもありません。レベルの違う話です。

更に言えば、異論を許さないことや、厳しい叱責こそ、思考停止を誘発しているという点で、むしろヌルいマネジメントではないかと私は考えています。

必死で厳しいマネジメントを貫いてきたマネージャーは、心理的安全性が大事だと言われると、今までの自分を否定されたように思ってしまうのかもしれません。

しかし、心理的安全性は、厳しいマネジメントを否定するものではなく、本当の意味での厳しさを後押しするものです。

部下との1on1は、心理的安全性を醸成する良い機会です。

また、心理的安全性が醸成されれば、1on1はグッと実のあるものになりますよ!

心理的安全性を正しく理解して、あなたのチームをよりハイパフォーマンスなチームへ進化させてください。

この記事が、少しでもお役に立てたら嬉しいです。

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必要な人に届きますように。

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この記事を書いた人

経営者・管理職・リーダーを対象に年間400回以上の1on1を実施。あの手この手で企業の対話文化を盛り上げています。静岡に住みながら、主にzoomで全国のクライアント様をサポート。伺いして集合研修をおこなったり、アウトドアでの研修も提案しています。

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