■1on1のときに話したいテーマを聞くと「特に無いです」と言われてしまいます、、

こんにちは、場作りカウンセラーの濱松です。ほぼ毎日オンラインで1on1をしたり、1on1のアドバイスをしています。

さて、最近では多くの会社で1on1が導入されています。しかし、部下との1on1を始めて、しばらくすると、こんなことがあるようです。

上司:「今日は何について話したいですか?」

部下:「うーん、特に無いです・・・」

上司:「そうですか・・・」

でも大丈夫。そんな状況にならないための施策は星の数ほどありますよ!今回はその中でも、実際にやってみて特に効果が大きかった2つの方法をご紹介します。

✔振り返りフレームワークを使う

✔いつでもテーマを受け付ける

この方法を状況に合わせて実施すれば、毎回有意義なテーマで1on1が盛り上がります。1on1から得られるメリットも大きくなります。その味をしめると、あなたも、部下も、次回の1on1が楽しみになりますよ。

私は年間に400回以上のセッションをしていますが、これらを応用して4年以上続いている1on1もたくさんあります。クライアント企業さまの内部でも、皆さんで工夫して継続的に1on1文化を拡げていらっしゃいます。それでは1つずつ解説していきます。

目次

振り返りフレームワークを使う

例えばこんなシートです。

”振り返りフレームワーク”とGoogleで検索してみてください。

  • KPT
  • KPTA
  • PDCA
  • コルブの経験学習モデル
  • 4行日記 などなど

いろんなフレームワークが解説とともに紹介されています。その中から、自分たちの1on1の目的にフィットしそうなフレームワークを選びましょう。

今回、ここでご紹介するのはYWTです。

YWTとは

Y=やったこと

W=わかったこと

T=次にやること

の頭文字をとったネーミングです。新人さんや、業務歴の浅い方、比較的若い方の育成に向いているフレームワークだと思います。

実際に導入したクライアント様からは、

「シンプルでやりやすい。」

「自信がついたので、もっと1on1の人数を増やすことにしました。」

などの評価をいただいております。

それでは、どのように使うのか説明します。

YWTを使った1on1の進め方

ステップ1 シートを準備して説明する

上の図のようなシートを、予め部下に渡しておきます。その際、これをやる目的や意図を十分説明しておきましょう。

上の図で、水色で囲ったワード(積極性 情報共有 確認)は、部下が一週間を振り返るに際に、特に念頭において欲しいキーワードです。本人が課題としていること、大事にしている価値観、あるいはストレングス・ファインダーなどで示された資質など、毎回これをリマインドすることで、振り返りの効果を高めることが出来ます。(これは当社のちょっとした工夫です)みなさんも色々工夫してみてください。

ステップ2 事前にシートに記入してもらう 

1on1の前までに、この1週間を振り返ってどうだったか、各々の欄に記入してもらいます。詳細に書いてもらう必要はありません。簡単な箇条書きで十分です。なぜなら、この後1on1で深堀りしていくからです。書きたいことが沢山あるのは良いことですが、多すぎてもごちゃごちゃします、、ボリューム感に関しては、やりながら調整していきましょう。

ステップ3 深堀りしたい部分に見当をつける

上司は1on1を始める前に部下の記載したシートに一通り目を通します。そして深堀りしたい部分に見当をつけます。具体的には、何か出てきそうな語句を○で囲むなどしておきます。何かが出てきそうな語句とは、強い決意が感じられる語句(例えば「絶対に」「必ず」「決して」など)あるいは、感情が動いいるような語句(例えば「嬉しかった」「悲しかった」「楽しかった」「キツかった」など)または抽象的でおお括りな語句(例えば「コミュニケーションを良くします」「売上拡大を目指します」など)このあたりの語句に印を付けて質問の準備をしておきましょう。

ステップ4 印を付けた語句をキッカケに質問していく

さて、いよいよ1on1を始めます。シートを見ながら予め印を付けておいた語句について質問をしていきます。その言葉の扉を開けて、その奥の世界に一緒に入っていくイメージで質問していきます。

ちょっと難しそう、、って思っちゃいましたかね^^;

でも、やることは至ってシンプルです。下記のような限られた質問を繰り返すだけです。それでどんどん深堀りしていくことができますよ。

  • もう少し教えて
  • ていうのは?
  • 具体的には?
  • なんでそう思うの?
  • という事は?
  • 他には?
  • 本当はどうなりたい?
  • そのために何ができる?

ステップ5 出てきた気付きやアイデアを書き留める

部下は、質問に答えているうちに、経験からより深い学びを得ることができます。YWTのシートを記入している時点で、すでに経験から学び得ているはずですが、その後の1on1によって、一人では達し得なかった深さで学びを深め、一人では思いつかなかった幅で思考を拡げる事が可能になります。質問に答えていると「あっ、今オレいいこと言った!」「そうか!次はこうしよう!」「おっ、ここにも応用できる!」そんな気付きが出てきます。それはその場でメモってもらいましょう。上司もメモってください。シートは、紙でもいいですが、チャットグループにフォーマットを上げておいてコピペして使ったり、Googleドライブなどで共有しておくこともできます。そうすれば、オンラインでもシートを確認しながら1on1ができます。

いつでも1on1のテーマを受け付ける

2つ目です。とても単純なことですが、極めて効果的です。これによって、毎回、興味深いテーマでの1on1が可能になります。話したいことが「特に無いです。」という部下もでも、一週間も仕事をしていれば、何かしらの課題に直面しているものです。

  • 業務上の不具合
  • お客様からクレーム
  • 協力会社との関係
  • 職場の人間関係
  • 実行したいアイディア などなど

にも関わらず、部下は(あなたも、私も)、ほとんどの事を忘れてしまうのです^^; いや、より正確に言うと、急には思い出せないのです! そのままにしておけば忘れ去ってしまいます。せっかく経験の中から出てきた課題やアイデアを活かす事ができません。なんと勿体ないことでしょう、、部下と次のようなルールを結ぶことで、1on1でいつも有意義なテーマを取り扱い、課題を解決し、前に進めていくことが可能になります。

ルール1 テーマを思い付いたら、いつでもチャットで申告していい

前述のように、誰であっても仕事で直面した課題は無数にあるはずです。1on1のときに思い出せないだけなのです。ですから、課題に直面したそのときに次回の1on1のテーマとして、部下から貴方に、申告してもらえばいいのです。申告というより備忘録のような感じです。1on1が5日後でも、明日でもok。朝でも夜でも、いつでも申告ok。としておきます。もちろん口頭ではダメです。思い出せませんから、、かといってメールだと若干面倒なので、チャットが最適です。長文は無用です。後から部下が分かればいいのです。短く、キーワードだけでもいいでしょう。

ここまで読んでみてどうですか?

一般的な上司・部下の関係からすると「そんなチャットを上司に送っていいの?」って思いますよね。だからこそ事前にルールを結ぶのです。上司のあなたから提案してください。部下からテーマが上がってきたら、あなたは、「ふーん。」「へー。」って感じで見ておけばokです。返信は無用です。あなたが答えを用意する必要はありません。部下はあなたに答えを求めない、あなたも部下に答えを与える義務はない。あなたは、単に壁打ちの壁。そのスタンスを部下と示し合わせておくと良いでしょう。

ルール2 テーマは何度でも更新していい

部下が話したいと思うテーマはコロコロ変わっていくのが自然です。テーマに上げただけで、部下の中では自問自答が始まります。そのことによって、より上位の概念で新たな課題が見えてきます。場合によっては1on1を待たずして課題が解消されてしまうこともよくあります。あるいは、変化の激しい環境の中、テーマの前提条件がガラッと変わってしまったり、まったく別のもっと重大な課題が浮かび上がってくることもあるでしょう。ですから、一度上司に申告したテーマであっても、1on1までの間に、何度でも更新しても良いことにしておきましょう。そして、だからこそ貴方は、その都度答えを準備する必要は無いのです。

ルール3 当日、別のテーマを話したければそれでもいい

申告したら、そのテーマで話をしなければならない。部下がそう考えてしまったら、申告するテーマの自由闊達さが損なわれてしまうかもしれません。申告はしたけど(何度か更新もしたけど)、実際の1on1では別の話をしてもいい。そういうルールにしておけば、部下は感じたことを素直にテーマにあげることが出来ます。また、1on1のその時に、本当に一番関心のあるテーマを話すことも可能になるでしょう。

まとめ

今回は、1on1のときに話したいテーマを聞いても「特に無いです」と言われてしまう場合の対処法について、おすすめの方法2つを紹介しました。

✔返りフレームワークを使う

✔いつでもテーマを受け付ける

いずれも有意義な1on1を目指す上で、高い効果が実証されている方法です。しかし、その前提条件として忘れてはならないものがあります。それは、部下とあなたの信頼関係です。心理的安全性ともいえますし、関係の質ともいえます。この土台がなければ、今回ご紹介したテクニックは必ず空回りして、お互いにとって、なんとも気持ちの悪いものになってしまうでしょう。この土台を築くために、上司も、部下も、何かを変えなければならないかもしれません。特に正解はありませんので、皆様なりの土台を築いていただければと思います。そのうえで、今日ご紹介した方法をアレンジしながら実践すれば、「話したいことはありません、、」というような1on1から簡単に脱出できることでしょう。

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この記事を書いた人

経営者・管理職・リーダーを対象に年間400回以上の1on1を実施。あの手この手で企業の対話文化を盛り上げています。静岡に住みながら、主にzoomで全国のクライアント様をサポート。伺いして集合研修をおこなったり、アウトドアでの研修も提案しています。

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