■1on1で自分の権利ばかりを主張する部下にどう対応したら良いでしょう、、

会社の方針で1on1をすることになりました。研修では「とにかく否定せずに部下の話を聞け。」とのこと。部下には「思ったこと何でも話していいよ。」と宣言して始めたところ、部下は毎回不平不満や自分の権利を主張するばかり、、これ、どうしたらいいんでしょう? そんなお悩みを聞くことがあります。私にも似たような経験があります。私なりの成功体験、失敗体験、学びから得た考え方をお話します。参考になるかどうか分かりませんが、1on1で悩めるマネージャー様のなにかのヒントになればと。

とりあえず、こうなるのは避けましょう

①長時間続くのは避けたいです。1on1は30分と決めていたのに、不毛な議論に終止して1時間、、どんどん話がそれて2時間コース。。お互いに貴重な時間ですよね。結論は出さなくて良いのでとにかく時間で切り上げたほうが良いと思います。

②関係の質が悪化するのは避けたいです。否定せずに聞くものの、心のなかではモヤモヤが募り、やがて部下を敵だと認知するようになる。その感情は言外に部下にも伝わり、そのことで部下も上司を敵だと思うようになる。そうなると1on1は完全に逆効果になります。または最初から権力闘争をふっかけて来ているかもしれません。乗ってはいけません。

ではどうしたらいいのでしょうか?

結論からいいます。全ての不平不満を会社を強くする為のきっかけだと捉えるのです。

不平不満の種類は星の数ほどありますので、全ての例を挙げる事は到底できませんが、実際にどんな主張であっても、会社を強くすることにつなげる事は可能です。

具体例をいくつか示します

給料を上げてください。

なんでそう思うのか聞いてみることで部下のことや労働市場の最新事情が見えてくるかもしれません。賃金相場など自分でも調べてみましょう。自社の待遇が他社と比べてどの程度悪いのか良いのか?精度高く把握することで人員確保の精度もあがり、そのことで会社が強くなります。

このルールおかしくないですか?

以前まかり通っていた事が今はアウト。そんな事例はたくさんあります。まだあなた自身が気付いていないものも多いのでは。それに気づくきっかけかもしれません。社労士さんに見解を聞いてみるのも良いでしょう。マネージャーの見識が高まります。よく検証した結果アウトではないよねってこともあるでしょう。それなら、なぜこのルールがあるのか、思いや経緯について話し合うのも良いかもしれません。今の時代にフィットしたものに調整することも出来ます。そうやって会社が強くなります。

そんなことできません。

能力的に出来ないのか?方針に納得できないのか?信条からして出来ないのか?ビビっているのか?単にめんどくさいのか?その複合なのか? いずれにせよ「いいからやれ!」で片付いていた時代ではなくなりました。渋々と中途半端な仕事をしてもらっても困りますし、そもそもやる気も能力もない人に居座ってもらっても困ります。出来ないなら出来ないと言ってもらって、その理由を紐解きながら、それならどうしたら出来るのか考えることで会社が強くなります。

これは私の仕事ではありません。

メンバーシップ型の仕事観と、ジョブ型の仕事観の間で起こりがちな摩擦です。また、上下関係に価値を置く組織観とフラットな関係に価値を置く組織観の間でも起こりがちです。つまり、今後多くの日本企業で直面する今日的な問題だと思います。いち早くこれに向き合い、その企業なりの考え方を整えることで会社として強くなります。

こんなのやってられません!

自分の待遇に不満がある人も少なからずいらっしゃると思います。まずは聴きましょう。その主張が妥当なものであれば会社が変わるきっかけになります。しかし、あまりにも利己的であり、世間的にもバランスを欠いた主張を繰り返すのであれば、ご本人納得の上で去っていただくことで会社が強くなるかもしれません。いや、そんな人でも辞められてしまったら困るんですよ、、というケースもあるかもしれません。しかし、そんな人に頼らなければやっていけない会社の体制を見直すことで会社が強くなります。

まとめ

不平不満や自分の主張ばかりをぶつけられると、イラッとするのは自然の反応だと思います。また上司は部下の不満を全て解消しなければならない!というような信念をもっていると、その焦りからイライラに拍車がかかります。しかし、そこは大きく構えて、懐深く、捉え方を変換してみませんか。あなたは彼らの不満を全て解消する必要はありません。なぜなら、それは本質的には部下自身が決めることですから。しかし、あなたはマネージャーとして会社を強くする責任があります。そして彼らはリスクを犯してまでも、会社が強くなるためのきっかけを提供してくれている人なのです。敵意ではなく感謝の気持ちを持って話を聴いてみましょう。

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この記事を書いた人

経営者・管理職・リーダーを対象に年間400回以上の1on1を実施。あの手この手で企業の対話文化を盛り上げています。静岡に住みながら、主にzoomで全国のクライアント様をサポート。伺いして集合研修をおこなったり、アウトドアでの研修も提案しています。

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