結論からいいます。ダメじゃないです。むしろ、とてもポジティブに作用します。ただし、ダメな時もあります。ダメなパターンにはまると、部下の成長にも、仕事の進捗にも、部下との信頼関係にも、マイナスに働いてしまいます。
今回の記事では、クライアント様へのアンケートや綿密なヒアリングから浮かび上がってきた、アドバイスのダメなパターンを5つを解説します。同時に、その具体的な回避方法も合わせてご案内します。いすれも、実践の中で磨いてきたノーハウです。ご参考にしていただけたら嬉しいです。
アンケートから見えてくるもの
1on1を始める前の研修で
1on1の時は否定せずに部下の考えを聴きましょうね。
そう言われたものの、、
待ってられなくて、つい答えを言っちゃうんです、、
1on1をはじめたばかりの会社でアンケートを取ると、必ず出てくる上司の定番のお悩みです。多くのみなさんが、慣れないスタンスに戸惑っているのです。
一方、部下へのアンケートでは
上司に強制されてるようでイヤでした、、
という回答も、確かにチラホラ見受けられます、、
しかし、それを遥かに上回る数で
アドバイスをいただき助かりました!
という回答が目立ちます。大体2:8ぐらいの割合です。実は、我々の行っている部下へのアンケートでは、1on1をやって良かったことの不動の第一位はアドバイスがもらえたこと。なのです。ですから、これをまるっきり封印するのはナンセンスというもの。ですから以下に書きましたアドバイスがダメなパターンを回避して、実りの多い1on1をエンジョイしてください。
よく聴かずにアドバイスしちゃダメ
変化の速い世の中ですので自分の認識はすでに過去のものになっていることがあります。多様性のある世の中ですので、部下も顧客も様々な価値観を持っています。自分の思い込みで早合点してはいけないケースが以前より増えていることを認識しましょう。部下の話をよく聴いていると、「なるほど、そういうことだったのか。」という発見も、たびたびあるのではないでしょうか?そこをしっかり共有できていない人からされるアドバイスは、それはそれは煙たいものになってしまいます。
一方で、仮に上司が必要な情報をすべて把握している場合であっても、部下の話はよく聴くべきです。よく聴くことによって、部下が何を分かっていて何を分かっていないのか。が、見えてきます。どんな思い込みをしていて、それがどんな作用をしているかも見えてきます。それらを踏まえたアドバイスこそが、部下に刺さるのです。
断定的な言い方でアドバイスしちゃダメ
どんなに的を得たアドバイスであっても、いや、的を得たアドバイスこそ、断定的に言うことを避けてください。正論であればあるほど、反発も招きやすくなります。場合によっては、部下の自信を損ねてしまうかもしれません。そうならないために、全てのアドバイスを質問のカタチにすることをオススメしています。
「それなら〇〇してみたらどうだろうね?」
「私は〇〇と思ってしまったのだけど、どう思う?」
こんな感じです。
「確かに、そうですね。」
「そのほうがいいと思います。」
と、部下が賛成したら、
さらに、もうひと工夫します。
もっと良くするためには、どうしたらいいと思う?
そうですね、□□してみてはどうでしょう?
いいじゃんそれ!気づかなかったよ。さすが!
こうすれば、部下は最初から自分で思いついたかのように感じ、活き活きとアクションを起こしますよ^_^
相手を否定する文脈でアドバイスしちゃダメ
「でも、〇〇したほうがよくない?」
「だけど、〇〇じゃないかと思うけど、どうかな?」
上記は確かに質問のカタチにはなっていますが、
「でも」「だけど」で始まるとその後、部下の口が重くなったり、思考停止してしまうことがあします。まったく同じ内容のアドバイスでも、下記のように切り出すと、部下の受け止め方はガラッと変わります。
以下のようにしてみたらどうでしょう。
「それに加えて、〇〇したほうがよくない?」
「だからこそ、〇〇じゃないかと思うけど、どうかな?」
アドバイスする際、逆接の接続詞を避けて、順接の接続詞を使うのです。その際、少しばかり文法的におかしくても気にしないでください。要は、部下が「ああ、自分の文脈に沿ったアドバイスだ」と思えればいいのです。これは、とても簡単で効果的なテクニックです。1on1だけでなく、会社だけでもなく、プライベートでも、あらゆる場面で応用できます。
お互いに癖になってはダメ
”上司はアドバイスするもの”
”部下はアドバイスをもらうもの”
”1on1はそういう場”
暗黙の内に、お互い、そんな認識になってしまうケースがあります。これはダメです。部下が考えることをヤメて、もっぱら上司を頼っていては成長に繋がりません。頼られる上司も、案外気持ちよかったりしますので、この関係にハマってしまうケースが多いのです。あるいは、「上司たるもの、いつでも部下の悩みを解決しなければ!」といった古風な使命感がそうさせることもあります。上司は、部下の悩みにいつも応える必要はありません。部下から常にアドバイスを期待されてはいけません。主体的に考えるのは、あくまでも部下です。部下にその義務を放棄させてはいけません。上司は、部下の考えが進むようにアシストする。それが1on1の基本スタンスです。
長々とアドバイスしちゃダメ
分かってほしい、上手くいってほしい、と思うがゆえに、アドバイスについつい熱が入り、話が長くなってしまいます。しかし、自分の経験上、長いアドバイスは、その熱量の割に、正しく受け止められていないことが多いです。裏を返せば、正しく受け止められていないと感じる時に、話が長くなるのです。「なんだか話しが長くなっちゃってるな、、」と思ったら、一旦説明をヤメて、「私が言いたいこと分かる? 言ってみて。」と部下の言葉で話してもらいましょう。すると、いや、ちょっと違うんだけど、、みたいなことは本当に頻繁にあります、、ズレに気付くことで、あなたは真意を伝え直すことができます。その際も順接の接続詞を意識してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。1on1において、上司が自分の考えを言うことはタブーではありません。上記の「陥りやすい5つのダメなパターン」を回避しながらアドバイスしてあげてください。いろいろと書いてきましたが、根っこは、部下の目線に立てているか?ということです。部下を一人の人間として尊重できているかどうか?とも言えます。ここに紹介したテクニックと合わせて、そんなご自身の在り方もチェックしてみてください
場作りカウンセラーでは、1on1に関するお悩みやご相談を承っています。お問合せページよりご連絡くださいませ。
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