研修から戻ってきた部下が、なんだか積極的になった感じ。目の色が違う。
「研修に行かせて良かったなぁ」
そう思ったのもつかの間。1週間たったら研修前と変わらない、、
とても残念な話ですが、とてもよくある話です、、
そう言う私も同じような経験があります、、
結構な時間もお金も使っているのに、、もったいないですよね。
せっかく受けた研修を永続的な行動変容につなげるためにはどうしたらいいか?
1on1を利用して研修の学びを血肉に変える方法をご案内いたします。
職場が発するメッセージをチェックしよう
「研修の学び」と「日常的に職場が発するメッセージ」が異なる場合。
「研修の学び」は急速に陳腐化します。
人間は、よくも悪くも環境に適応しますので。
例えば、研修で、
「もっと新しいことにチャレンジするべきだ」という学びを得たとします。
研修から帰ってきてしばらくは、能動的に考え、アクションを起こすでしょう。
しかし、
なんとなく浮いてる感じがする。
上長からは煙たがられているような、、
先輩たちを見ていれば評価されるのは無難な仕事をする人ばかり。
また別の研修で、
「部下の話をしっかり聴こう」という学びを得たとします。
研修から帰ってきてしばらくは、忙しい中で時間をとって、部下の話に耳を傾けるでしょう。
しかし、
自分の上役からは常に上意下達、問答無用を突き付けられる。
「お前のやり方は甘い」と叱責される。
また、そういう上役に限って出世している。
もしそんな状態なら、
「研修の学びは綺麗事だったんだな、、」と思ってしまうのは無理もありません。
研修を企画した会社側すれば、
「我社にはチャレンジ精神が足りない」と思ったらかその研修をしたのでしょう。
「我社では現場の主体性が足りない」と思ったからその研修をしたのでしょう。
社員に研修を受けさせることで、”この手の課題” を補おうと思ったのでしょう。
しかし、そこに大きな誤りがあります。
「問題は自分の外にあって、自分は何も変わらず、他者にだけ変化を求める。」
会社側が、このスタンスにある以上 ”この手の課題” は解決しません。
ハーバード大学のロナルド・ハイフェッツ教授は ”この手の課題” を ”適応課題” と名付け、 ”技術的問題” と区別して考えることを薦めています。
「社長や役員の失敗。その一番多い原因は、向き合っている問題が”適応課題”であるにもかかわらず、それを”技術的問題”として扱ってしまうことだ。」
と、おっしゃっています。
研修が無駄に終わるのは、まさにこの文脈に則っています。
この場合、研修の効果が長続きしないと嘆く前に、ハイフェッツ教授の ”適用課題” と ”技術的問題” の理論を理解し、自らのあり方を顧みましょう。
研修レポートをネタに1on1をやろう
研修直後に書いたレポートを、後日1on1で深掘りすることで、研修の学びを日常のアクションに落とし込むことができます。
研修直後に書いたレポートには新鮮な感動が簡潔に書かれていると思います。
レポートを基に1on1の中で質問し、語らせることによって、
その感動を思い出し、新たな気づきを得ることがあります。
例えば、
”今まで〇〇と言う視点はありませんでした。今後部下の指導に生かしたいと思います”
と言う記述があったとします。
私なら上記の一文に着目し、以下のような質問で深掘りしていきます。
「そのことによってどうなりたいですか?」
「部下って具体的には誰のことですか?」
「〇〇くんね、具体的には何をするの?」
「そうしたらどうなりそうですか?」
「どんなタイミングでやったら良さそうですか?」
「他に応用できる場面はありますか?」
などなど。
この様に、1on1で取り扱うことにより、
1人でレポートを書いていたとき以上の思考の発展を促すことができます。
そして確実にアクションさせることで、机上の学びを生きた学びに変えることができます。
その後も1on1で追いかけることによって学びが深まり定着していきます。
キーワードをリマインドする仕組みを作ろう
上記の1on1の中で、研修の学びに関するシンプルなキーワードを見つけておきましょう。頻繁にそのキーワードを思い起こすことで学びが定着していきます。
人間の記憶は日に日に薄れていきます。
研修の学びが、自らのあり方の変化として定着するまで、何度もリマインドする必要があります。
そのための方法を2つご紹介します
①1on1の準備シートを使用している場合は、そのシートにキーワードを載せておきましょう。
部下は1on1の準備の為にシートに向かうたび、キーワードを目にします。
1on1の際に上司もそのキーワードを目にすることによって、キーワードに即した深掘りをしていくことが可能になります。
*これは別の記事でもご紹介していますのでご参照ください。
②首からカードホルダーなどを下げている場合はその裏面にキーワードを書いて入れておきましょう。
カードケースに触れたり、目を落とすたびにキーワードを思い出します。
更には、どんなキーワードを書いて入れているのか、職場の皆さんに共有しておくと良いでしょう。
その事によって、思い出すべき場面で、周りの人からキーワードを思い出すように促してもらうこともできます。
人に伝える機会を作ろう
1on1の中で語ってもらうだけでも良いのですが、それ以外の場所でも、自分の学びと実践について語らせると更に効果的です。
「人に教えることが1番の学びになる」とはよく言われることですよね。
例えば
朝礼や定期的なミーティングの中に、時間をとってみてはいかがでしょうか?
あるいは、これから同じ研修を受ける同僚や後輩に、
自分の学びや、実践してみてどうだったか、などレクチャーさせてみましょう。
まとめ
まずは会社側(研修を企画する側)が課題を自分事として捉え、自ら変わっていくことを覚悟しましょう。
それなくして、研修の効果は持続しません。
その上で、研修の学びを1on1でフォローしていきましょう。
そのことによって、会社も、受講者も自らのあり方が変わってきます。
在り方が変わってこそ、研修の効果は永続的なものになります。
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必要な人に届きますように。
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