■職場の雰囲気がめちゃくちゃ悪くて、、、1on1で良くなりますか?

最低限の挨拶はしているものの、

その後は会話もなく、どんよりした空気に、、、

みんな言われた仕事しかしない。

なにか問題が起これば、「それは私のせいではない」と、人に責任を押し付け合う、、

そんな雰囲気では成果も上がるはずもなく、、、

そんな職場が1on1で良くなるかどうか?

それはやってみなければわかりません。

ただ、私がマネージャーなら必ず1on1をやります。

それで見違える様に良くなったことがあります。

今回は、その経験を基に、

バックボーンとなる学術的な理論と、

それを1on1で如何に実践していくのか、

特に効果のあった具体的な方法をご紹介します。

この手の課題、正解は1つではありません。

今回ご紹介するのも、色々あるアプローチの内の1つです。

この記事があなたのマネジメントのヒントになれば幸いです。

目次

組織の成功循環モデル

まずは、拠り所となる理論をご紹介します。

マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱した

”組織の成功循環モデル”です。

世の中の事象に関連性を見つけて図表に落としていく

”システム思考”の1つのモデルです。

「なんだか難しそう、、」って思っちゃいますよね。

大丈夫です、とてもシンプルで、笑っちゃうぐらい当たり前です。

”風が吹けば桶屋が儲かる”っていう話です。

下の図を御覧ください。

組織は次のような順番で良くなったり悪くなったりします。

”関係の質”が良くなると”思考の質”が良くなる

”思考の質”が良くなると”行動の質”が良くなる

”行動の質”が良くなると”結果の質”が良くなる

そして、

”結果の質”が良くなると更に”関係の質”が良くなる

というように、もとに戻り循環していきます。

悪くなるときも然り。

もう少し具体的に解説します。

悪循環

悪循環に陥る典型的パターンをお話します。

全然売上があがらない(=結果の質が悪い)

その時、

マネージャーはメンバー以上にそこに注目します。

「とにかく、結果を出さなければ!」

そう思うのは当然です。

しかし、切実にそう思うあまりに、

「お前ら何やってんだよ!」

「ちゃんと責任を果たせよ!」

「お前が〇〇だからダメなんじゃないの?」

「とにかく〇〇しろよ!」

みたいなコミュニケーションをとってしまいがちです。

そうなると。

言われた方は、心のなかで反発するでしょう。

「そうは言ってもさ、、」

「俺はやってるんだよ」

「全然分かってないな」

「じゃあ、あいつはどうなんだよ。」

みたいに、

自分を守り、周囲を攻めます(=関係の質が悪くなる)

そんな関係性の中で考えることもネガティブになります。

「それならお前がやってみろ」

「わかった、わかった、やりゃいいんでしょ」

「どうなっても知らないよ」

「余計なことをするのはヤメておこう」

というように、自ら建設的に考えることが

できなくなります(=思考の質が悪くなる)

当然、行動は消極的になり、

言い逃れするための必要最小限の仕事しかしません。

そんな仕事では、結果が出るわけもなく(=さらに結果の質が悪くなる)

そしてまた、、、

どうしたらこの悪循環を止められるのでしょうか?

好循環

ダニエル・キム教授がおっしゃるには、

「まず関係の質に着手することが遠回りに見えて一番の近道」

だそうです。

売上があがらない(=結果の質が悪い)ことは、しっかり認識しつつも、

そのことだけに過度に反応するのではなく、

尊重しあい、認め合い、対話をしやすい雰囲気を作ることに意識を向けます。

そんな空気ができると(=関係の質が良くなる)

「ちょっと知恵を貸してほしいのだけど。」

「なるほどそれいいね!もっとこうしたらどうだろう。」

みたいに、お互いに相談し合ったり、建設的な対話が始まったり、

その中で、気づきがあり、いいアイデアが生まれ、

「やってみよう!」「そのために何が出来るだろう。」と

仕事を主体的に考えるようになります。(=思考の質が良くなる)

そうなると、行動も変わってきます。

新しいことにチャレンジしたり、

チャレンジしている人を助けたり、助けられたり。

自発的で

前向きで

スピーディーな行動を起こします(=行動の質が良くなる)

そんな行動の中から、

徐々に結果につながるものが出きます(=結果の質が良くなる)

「よくやったね!素晴らしいね。」と結果を分かち合うことで

さらに信頼関係を深めます(=さらに関係の質が良くなる)

関係の質を高める1on1

・組織の成功循環モデルの概要

・陥りやすい悪循環の構造

・悪循環を止めるためには、まず”関係の質”を高める必要があること

ご理解いただけましたでしょうか。

それではここから、

1on1でいかにして関係の質を高めるか解説していきます。

まずはなにより”傾聴”

当然のことながら、ただ1on1をやればいいわけではありません。

ここでやるべきは傾聴的な1on1です。

業績が悪いなら、部下に言いたい事はたくさんあるでしょう。

しかし、まずは徹底して聴く側に回ってください。

ここでの目的は信頼関係を築くことです。

信頼関係を築くのに傾聴ほど有効な手段はありません。

よく話を聴いてもらった人は自分が受け入れられたと感じ、

自分を受け入れてくれた相手を信頼するようになります。

その頃には、あなたも部下のことを今まで以上に信頼するようになります。

そんな関係ができれば相手も自分も本音で話すことができます。

人は自分の話をよく聴いてくれた人の話を聴きます。

人は、正しい人についていくのではなく、

自分のことをよくわかってくれている人についてきます。

まずはよく聴いて、聴いて、聴ききって、

その後に自分の思いを伝えてみてください。

きっと、これまでにない関係の質が手に入ります。

そして適度なリークも

1on1で話した内容は外部に漏らさないのが基本です。

「2人だから話せる」そんな1on1の良さを損ねないためです。

しかし、チームの”関係の質”を高めていくためには、

適度なリークはむしろ行った方が良いと考えています。

これは実際にかなり有効でした。

例えばこんな感じです。

「〇〇さんも同じ事で悩んでいたよ。」

「いや、〇〇さんは△ △だと思って× ×したんだって。」

「〇〇さんには実はこんな事情があるんだよ。」

「〇〇さんが、あなたに、とても感謝していたよ」

「へー、柴犬飼い始めたんだ。〇〇さんも柴犬飼ってるって知ってる?」

関係の質向上には、こういったことが有効なのです。

複数人と1on1をしていれば、あなたが架け橋になることができます。

人と人をつなぐことができます。

誤解を解いてあげることができます。

届いていない感謝を届けることができます。

そのことが関係の質向上に大きな役割を果たします。

ただし、あくまでも信頼関係を損なわないよう、

リークは絶妙のさじ加減でお願いします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

業績の上がりにくい今日この頃。

世の中の変わり目でもあり、

メンバーの価値観も多様です。

これまで以上に職場が悪循環に陥りやすい環境ともいえます。

こんな時こそ、組織の成功循環モデルを念頭に1on1を活用してみてください。

ただ一時的に雰囲気を良くするだけではダメです。

いつまでも結果の出ない組織では、いい雰囲気が続くはずがありません。

いい雰囲気から好循環を回し、結果につなげ、さらにいい雰囲気にするのです。

それをイメージしつつ、焦らずに取り組んでください。

1on1はひとつの有効な取り組みです。

この記事は組織のマネージャーの方を念頭に書きましたが、

マネージャーではなくても応用できます。

話す相手が部下である必要はありません。

あなたのポジションにかかわらず応用可能です。

別の部所にいる同期や先輩や後輩でもいいと思います。

ぜひトライしてみて下さい。

もしよかったら、あなたのSNSやブログやe-MAILで、この記事をお友達や会社の方にシェアしてください。

必要な人に届きますように。

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この記事を書いた人

経営者・管理職・リーダーを対象に年間400回以上の1on1を実施。あの手この手で企業の対話文化を盛り上げています。静岡に住みながら、主にzoomで全国のクライアント様をサポート。伺いして集合研修をおこなったり、アウトドアでの研修も提案しています。

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