■落ち込んでいる部下を立ちなおらせたいです、、どんな1on1をしたらいいでしょう?

・とんでもないミスをしてしまった、、

・売上激減、、

・まったく営業成績が上がらない、、

・仕事が多すぎる、、

・お得意さまを怒らせてしまった、、

・任せてもらったプロジェクトが進まない、、

・チームがバラバラ、、

・事業撤退、、

ビジネスパーソンを凹ませる出来事はいくらでもあります。

あなたの部下はどうですか?

そのまま見守るのも1つの手です。

ただ、あまり長引くとチームのパフォーマンスに関わりますし、

場合によっては本人が退職を申し出てきたり、鬱を患ってしまうかもしれません。

それに、彼が、そのように落ち込んでいるのは、今回がはじめてですか?

これまでも同じようなことがあったのではないでしょうか?

私も企業のマネージャー時代に、結構な数の鬱の社員や、鬱っぽい社員と向き合ってきました。

実は、私自身も、鬱で会社を6ヶ月休んだ経験があります。

その経験が、今の職業につながっていたりもします。

ですから、今回のテーマで書きたいことは山ほどあります。

全部書いていたらキリがありませんので、今回はレジリエンス(精神的回復力)という切り口から、1on1でどんな関わりが出来るのか、実体験と学説を踏まえ、ご案内いたします。

部下に立ちなおってもらいたい!

本気でそう思う上司の方へ、何かのヒントになればと。

目次

無理に引き上げようとしない

「だいじょうぶ、だいじょうぶ!ほら、元気だして!」

「だいじょうぶだよ!こうすればいいじゃん。」

こういう明るい人、私は好きです。

ですが、

気持ちが落ち込んでいる部下との1on1では、逆効果になることが多いです。

部下が自分の気持を話している時に、上司がこのような接し方すると

「この人は、私の気持ちをわかってくれない。」

と感じてしまいます。

そうすると、ますます、ネガティブなほうへ、ネガティブなほうへ、話を引っ張っていきます。

「こんなにつらいんだよ、こんなにつらいんだよ、」

「わかってよ!わかってよ!」

と言わんばかりに、、

ですから、往々にして、実際よりも悲劇的に盛って語りがちです。

さらには、それが部下の現実になってしまう、、これが怖いんです。

そんなことを察してか、上司は更に「そんな事無いよ、だいじょうぶ、だいじょうぶ、、」って言いがちです。

すると部下は、「やっぱり分かってくれていない!」と思い、、この悪循環が延々と続くことになります、、

部下が辛い話をしているときは、無理にポジティブな方へ引き上げようとせず、「そうか、、そうか、、」と聴いてやりましょう。

もちろん、ただ「そうか、、」と言えば良いわけではありませんよ。

部下よりも辛い気持ちになって「そうか、、」と、聴いてやるのです。

そういう聴き方をしてもらった部下は、出来事や思考や感情を淡々と語り出します。

そうすると、「あれ、それほどでもないかも」って気持ちになったりします。

客観視を促す

部下が、考えや、気持ちや、行動を、ひとしきり話してくれたら、それだけでも、彼の中では、かなり客観視が進んでいるはずです。

そこでもうひと押し、

その一連のストーリーを更に客観視できるように導きましょう。

その方法を3つ紹介します。

ラベリングする

例えば、部下に、こんな問いかけをしてみましょう。

「今の話に題名を付けるとしたら?」

「この状況を一言でいったら?」

「その気持に名前をつけるとしたら?」

こんな答えが返って来るかもしれません。

「うーん、”正義感の空回り”ですかね、、」

「えーっと、”説明不足ですれ違い”かな??」

「はい、”部長恐怖症”とか、、」

何でもいいんです。

とにかくラベリングすることで、状況を扱いやすくなります。

落ち込んでいるときは、同じことを何回も何回も思い起こしてしまうものです。

それで脳が疲れてしまい、ますます元気がなくなります。

繰り返すマイナスな思考に名前をつけることによって、

自分自身と、自分の思考を切り離して認知できるようになります。

「ああ、また”正義感の空回り”だ、、」みたいに、マイナスの思考に距離おいた視点がもてると、心にゆとりができ、対処法を見出しやすくなります。

そして、「ああ、また”正義感の空回り”が来た。」と思ったら、準備していた対処法を使えばよいのです。

また、次回以降の1on1の際に、「あっ、それってまた、”正義感の空回り”じゃない?」みたいに指摘してあげることもできます。

他人目線

出来事、思考、行動、感情の一連のストーリーについて淡々と語ってもらい、ある程度の整理がついてきたら、

それを他人になりきって眺めてもらいます。

例えば、

部下が尊敬している先輩や、

好きな歴史上の人物、

崇拝している経営者など。

憧れているアーティストやアニメのキャラでもokです。

「この状況、スティーブ・ジョブズだったらどうすると思う?」

こんな質問でパーッとブレイクスルーが起こることがあります。

1on1の際、部下の尊敬している人を1回聞いておくと、次からも使えますので便利です。

そして、何度も”ジョブズ目線”を促していいるうちに、普段から”ジョブズ目線”に入れるようになります。

ちなみに私は、よく自分で”坂本龍馬目線”になっています。その時は、立ち上がって懐に片手を突っ込んで、よく見る龍馬の写真と同じポーズをします。

馬鹿げて聞こえるかもしれませんが、これで効果倍増!

龍馬好きの方はお試しあれ。

未来の自分目線

これはコーチングでよくやる手法です。

まず、何年後かの理想の状態を描いてもらいます。

そこにいる自分をありありとイメージしてもらい、その時の感情を聴いていきます。

(プロコーチはここを入念に誘導しますが、会社の上司と部下では、少し軽めで良いでしょう。)

「なんの制約もなかったら3年後、どうなっていたい?」

そんな質問で部下の理想の状態を語ってもらいましょう。

模擬的に理想の状態になりきった彼に

「その3年後の自分から、今の自分にアドバイスするとしたら?」

と問います。

ある程度の現状の整理と、ある程度の理想のイメージができていれば、部下は今あるべきスタンスに気付き、今取るべき行動に確信を得るでしょう。

強みを活かせるように導く

ストレングス・ファインダーを展開しているギャラップ社の調査によると、

”自分の強みを活かせない場合、職場で抱く仕事への意欲や生産性は、強みを活かしている人に比べて6分の1にとどまる”

そうです。

弱みを克服することも大事ですが、強みを活かすことの方が数倍効果的です。

そして強みを活かしている人は、自信に満ち、活き活きとしています。

落ち込んでいる部下に立ち直ってもらうには、

彼の強みを活かしたアプローチが必須です。それを1on1で探っていきましょう。

過去に目覚ましい活躍をした時のこと、

本人が楽しかった仕事、

やりがいを感じていた仕事、

などをテーマに語ってもらえば、それだけで元気が出てきます。

そして、過去のポジティブな体験から、今の状況を、自分らくし突破する方法を見つけ出すかもしれません。

ちなみに私は、クライアントさんとの初回の1on1のときに、毎回、上記のような質問をしています。

また、クライアントさんのほぼ全員にストレングス・ファインダーを受けてもらっています。

ストレングス・ファインダーとは、マークシートによって、その人が、どんな資質を持っているかを見つけ出すプログラムです。

そして、ストレングス・ファインダーの結果について、1on1で語り合っています。

そこまでしておくと、強みを活かせるように導く1on1がしやすくなりますよ。

一番良くないのは、

上司が、自分が出来る事を良いことに、部下の弱みに注目して説教を垂れることです。

悪意があるわけでは無いと思います。

部下を鍛えようとしてるのかもしれません。

しかし、これでは部下は立ち直るどころか、益々自信をなくしてしまいます。

仲間と一緒に取り組ませる

落ち込んでいる部下は、自分の殻に閉じこもっている場合が多いです。

視野が狭くなり、だれかが自分の力になってくれることなど、想像もできません。

しかし、実際には、彼の力になってくれる人はたくさんいるのです。

アドバイスをくれる人、

心の支えになってくれる人、

手伝ってくれる人、

情報をくれるひと、

そんな人を一緒に探すような1on1をしてみましょう。

その際、押さえておきたいポイントがあります。

彼が受けるアドバイスや情報や手助けは、

かならずしも的確なものである必要はありません。

極論、間違っていたり、役に立たなくてもいいんです。

大事なのは、ひとりじゃないと思えるここと。

ひとりじゃないと思えるだけで、人は勇気が湧いてくるものです。

誰かが気にしてくれいている。

誰かが見てくれている。

そう思えるだけで、課題に取り組む意欲は格段に違うのです。

そこを第一に考えて協力者を探しましょう。

そして、まずは、あなたがそんな人になってあげてください。

1on1を通じてそれを示しましょう。

もし、あなたが上司で、職務分担の采配をふるえる立場なら、彼が強みに集中できるように、彼の弱点を補うようなパートナーと組ませてあげてもいいでしょう。

甘いでしょうか?

いや、仕事はチームプレーです。

負荷をかけたいのなら、彼の強みに負荷をかけてください。

みな長所短所のある人間です。

人間は、自分の特性を活かし、チームに貢献できたと思えるとき、チームに居場所を見出し、仕事に喜びを感じ、もっとチームに貢献しようと本来の力を発揮します。

落ち込んでいる部下を立ち直らせたいのなら、まずはこのアプローチを念頭に置いてください。

あなたがどうしても部下の弱点を強化したいのなら、まずは部下が立ち直り、充分な活力を取り戻してからにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、落ち込んでいる部下を立ち直らせたいときに、1on1で何が出来るか?について、レジリエンス(精神的回復力)の切り口で解説しました。

これらのポイントを踏まえ、元気がない部下との1on1を準備してみてください。

1on1で成果を出すためには、信頼関係が欠かせません!

テクニックだけの1on1は必ず上滑りします! 

と、私はいつも訴えています。

一方で、落ち込んでいる部下に上記のように関わることで、信頼関係をグッと深めることができます。

そんなチャンスだと思ってみてはいかがでしょうか。

そして、上司のあなた自身はどうですか?

もし、元気が出ない状態が続いているなら、今回の記事を自分にも応用してみてくださいね!

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます。

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必要な人に届きますように。

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この記事を書いた人

経営者・管理職・リーダーを対象に年間400回以上の1on1を実施。あの手この手で企業の対話文化を盛り上げています。静岡に住みながら、主にzoomで全国のクライアント様をサポート。伺いして集合研修をおこなったり、アウトドアでの研修も提案しています。

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