・とんでもないミスをしてしまった、、
・売上激減、、
・まったく営業成績が上がらない、、
・仕事が多すぎる、、
・お得意さまを怒らせてしまった、、
・任せてもらったプロジェクトが進まない、、
・チームがバラバラ、、
・事業撤退、、
ビジネスパーソンを凹ませる出来事はいくらでもあります。
あなたの部下はどうですか?
そのまま見守るのも1つの手です。
ただ、あまり長引くとチームのパフォーマンスに関わりますし、
場合によっては本人が退職を申し出てきたり、鬱を患ってしまうかもしれません。
それに、彼が、そのように落ち込んでいるのは、今回がはじめてですか?
これまでも同じようなことがあったのではないでしょうか?
私も企業のマネージャー時代に、結構な数の鬱の社員や、鬱っぽい社員と向き合ってきました。
実は、私自身も、鬱で会社を6ヶ月休んだ経験があります。
その経験が、今の職業につながっていたりもします。
ですから、今回のテーマで書きたいことは山ほどあります。
全部書いていたらキリがありませんので、今回はレジリエンス(精神的回復力)という切り口から、1on1でどんな関わりが出来るのか、実体験と学説を踏まえ、ご案内いたします。
部下に立ちなおってもらいたい!
本気でそう思う上司の方へ、何かのヒントになればと。
無理に引き上げようとしない
「だいじょうぶ、だいじょうぶ!ほら、元気だして!」
「だいじょうぶだよ!こうすればいいじゃん。」
こういう明るい人、私は好きです。
ですが、
気持ちが落ち込んでいる部下との1on1では、逆効果になることが多いです。
部下が自分の気持を話している時に、上司がこのような接し方すると
「この人は、私の気持ちをわかってくれない。」
と感じてしまいます。
そうすると、ますます、ネガティブなほうへ、ネガティブなほうへ、話を引っ張っていきます。
「こんなにつらいんだよ、こんなにつらいんだよ、」
「わかってよ!わかってよ!」
と言わんばかりに、、
ですから、往々にして、実際よりも悲劇的に盛って語りがちです。
さらには、それが部下の現実になってしまう、、これが怖いんです。
そんなことを察してか、上司は更に「そんな事無いよ、だいじょうぶ、だいじょうぶ、、」って言いがちです。
すると部下は、「やっぱり分かってくれていない!」と思い、、この悪循環が延々と続くことになります、、
部下が辛い話をしているときは、無理にポジティブな方へ引き上げようとせず、「そうか、、そうか、、」と聴いてやりましょう。
もちろん、ただ「そうか、、」と言えば良いわけではありませんよ。
部下よりも辛い気持ちになって「そうか、、」と、聴いてやるのです。
そういう聴き方をしてもらった部下は、出来事や思考や感情を淡々と語り出します。
そうすると、「あれ、それほどでもないかも」って気持ちになったりします。
客観視を促す
部下が、考えや、気持ちや、行動を、ひとしきり話してくれたら、それだけでも、彼の中では、かなり客観視が進んでいるはずです。
そこでもうひと押し、
その一連のストーリーを更に客観視できるように導きましょう。
その方法を3つ紹介します。
ラベリングする
例えば、部下に、こんな問いかけをしてみましょう。
「今の話に題名を付けるとしたら?」
「この状況を一言でいったら?」
「その気持に名前をつけるとしたら?」
こんな答えが返って来るかもしれません。
「うーん、”正義感の空回り”ですかね、、」
「えーっと、”説明不足ですれ違い”かな??」
「はい、”部長恐怖症”とか、、」
何でもいいんです。
とにかくラベリングすることで、状況を扱いやすくなります。
落ち込んでいるときは、同じことを何回も何回も思い起こしてしまうものです。
それで脳が疲れてしまい、ますます元気がなくなります。
繰り返すマイナスな思考に名前をつけることによって、
自分自身と、自分の思考を切り離して認知できるようになります。
「ああ、また”正義感の空回り”だ、、」みたいに、マイナスの思考に距離おいた視点がもてると、心にゆとりができ、対処法を見出しやすくなります。
そして、「ああ、また”正義感の空回り”が来た。」と思ったら、準備していた対処法を使えばよいのです。
また、次回以降の1on1の際に、「あっ、それってまた、”正義感の空回り”じゃない?」みたいに指摘してあげることもできます。
他人目線
出来事、思考、行動、感情の一連のストーリーについて淡々と語ってもらい、ある程度の整理がついてきたら、
それを他人になりきって眺めてもらいます。
例えば、
部下が尊敬している先輩や、
好きな歴史上の人物、
崇拝している経営者など。
憧れているアーティストやアニメのキャラでもokです。
「この状況、スティーブ・ジョブズだったらどうすると思う?」
こんな質問でパーッとブレイクスルーが起こることがあります。
1on1の際、部下の尊敬している人を1回聞いておくと、次からも使えますので便利です。
そして、何度も”ジョブズ目線”を促していいるうちに、普段から”ジョブズ目線”に入れるようになります。
ちなみに私は、よく自分で”坂本龍馬目線”になっています。その時は、立ち上がって懐に片手を突っ込んで、よく見る龍馬の写真と同じポーズをします。
馬鹿げて聞こえるかもしれませんが、これで効果倍増!
龍馬好きの方はお試しあれ。
未来の自分目線
これはコーチングでよくやる手法です。
まず、何年後かの理想の状態を描いてもらいます。
そこにいる自分をありありとイメージしてもらい、その時の感情を聴いていきます。
(プロコーチはここを入念に誘導しますが、会社の上司と部下では、少し軽めで良いでしょう。)
「なんの制約もなかったら3年後、どうなっていたい?」
そんな質問で部下の理想の状態を語ってもらいましょう。
模擬的に理想の状態になりきった彼に
「その3年後の自分から、今の自分にアドバイスするとしたら?」
と問います。
ある程度の現状の整理と、ある程度の理想のイメージができていれば、部下は今あるべきスタンスに気付き、今取るべき行動に確信を得るでしょう。
強みを活かせるように導く
ストレングス・ファインダーを展開しているギャラップ社の調査によると、
”自分の強みを活かせない場合、職場で抱く仕事への意欲や生産性は、強みを活かしている人に比べて6分の1にとどまる”
そうです。
弱みを克服することも大事ですが、強みを活かすことの方が数倍効果的です。
そして強みを活かしている人は、自信に満ち、活き活きとしています。
落ち込んでいる部下に立ち直ってもらうには、
彼の強みを活かしたアプローチが必須です。それを1on1で探っていきましょう。
過去に目覚ましい活躍をした時のこと、
本人が楽しかった仕事、
やりがいを感じていた仕事、
などをテーマに語ってもらえば、それだけで元気が出てきます。
そして、過去のポジティブな体験から、今の状況を、自分らくし突破する方法を見つけ出すかもしれません。
ちなみに私は、クライアントさんとの初回の1on1のときに、毎回、上記のような質問をしています。
また、クライアントさんのほぼ全員にストレングス・ファインダーを受けてもらっています。
ストレングス・ファインダーとは、マークシートによって、その人が、どんな資質を持っているかを見つけ出すプログラムです。
そして、ストレングス・ファインダーの結果について、1on1で語り合っています。
そこまでしておくと、強みを活かせるように導く1on1がしやすくなりますよ。
一番良くないのは、
上司が、自分が出来る事を良いことに、部下の弱みに注目して説教を垂れることです。
悪意があるわけでは無いと思います。
部下を鍛えようとしてるのかもしれません。
しかし、これでは部下は立ち直るどころか、益々自信をなくしてしまいます。
仲間と一緒に取り組ませる
落ち込んでいる部下は、自分の殻に閉じこもっている場合が多いです。
視野が狭くなり、だれかが自分の力になってくれることなど、想像もできません。
しかし、実際には、彼の力になってくれる人はたくさんいるのです。
アドバイスをくれる人、
心の支えになってくれる人、
手伝ってくれる人、
情報をくれるひと、
そんな人を一緒に探すような1on1をしてみましょう。
その際、押さえておきたいポイントがあります。
彼が受けるアドバイスや情報や手助けは、
かならずしも的確なものである必要はありません。
極論、間違っていたり、役に立たなくてもいいんです。
大事なのは、ひとりじゃないと思えるここと。
ひとりじゃないと思えるだけで、人は勇気が湧いてくるものです。
誰かが気にしてくれいている。
誰かが見てくれている。
そう思えるだけで、課題に取り組む意欲は格段に違うのです。
そこを第一に考えて協力者を探しましょう。
そして、まずは、あなたがそんな人になってあげてください。
1on1を通じてそれを示しましょう。
もし、あなたが上司で、職務分担の采配をふるえる立場なら、彼が強みに集中できるように、彼の弱点を補うようなパートナーと組ませてあげてもいいでしょう。
甘いでしょうか?
いや、仕事はチームプレーです。
負荷をかけたいのなら、彼の強みに負荷をかけてください。
みな長所短所のある人間です。
人間は、自分の特性を活かし、チームに貢献できたと思えるとき、チームに居場所を見出し、仕事に喜びを感じ、もっとチームに貢献しようと本来の力を発揮します。
落ち込んでいる部下を立ち直らせたいのなら、まずはこのアプローチを念頭に置いてください。
あなたがどうしても部下の弱点を強化したいのなら、まずは部下が立ち直り、充分な活力を取り戻してからにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、落ち込んでいる部下を立ち直らせたいときに、1on1で何が出来るか?について、レジリエンス(精神的回復力)の切り口で解説しました。
これらのポイントを踏まえ、元気がない部下との1on1を準備してみてください。
1on1で成果を出すためには、信頼関係が欠かせません!
テクニックだけの1on1は必ず上滑りします!
と、私はいつも訴えています。
一方で、落ち込んでいる部下に上記のように関わることで、信頼関係をグッと深めることができます。
そんなチャンスだと思ってみてはいかがでしょうか。
そして、上司のあなた自身はどうですか?
もし、元気が出ない状態が続いているなら、今回の記事を自分にも応用してみてくださいね!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます。
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必要な人に届きますように。
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